長内コレクション 〜4〜
佐藤 ひさよ
岩手県山形村の長内三蔵氏宅に併設されている「ふるさと資料館」には、色々な形で収集された品があります。 捨てられるはずが持ち込まれた品。拾われた品。知人に譲って頂いたもの、長内さんが購入したものもあります。 中には面白いエピソードを持つ品があるので御紹介します。 ![]() 今から200年ほど前、久慈出身の牛方が旅をした際、鹿角の土地に「なぎさ」を忘れて来てしまいました。忘れ物に気が付いた鹿角の方が、三戸のおくやま旅館にその牛方が泊まることを知っていて、「牛方が来たらこの鉈を渡して下さい」と預けたのだそうです。 それから時が過ぎ、待てど暮らせど牛方は現れず。とうとう200年が経てしまいました。 つい最近になり、当時預かった おくやまさんの子孫に当たる方が「牛方の代も絶えてしまったようなので、これを『ふるさと資料館』に加えて欲しい・・・」 と持って来られたのだそうです。 全長70cm近い鉈の刃には錆びも浮かず、柄には金属の輪が二つはめ込まれ、300年は経過しているものだとの事。 ほれぼれする品が、不思議なご縁でコレクションに加えられています。 |