長内コレクション 〜5〜
佐藤ひさよ


背中あて / いたやかっこべ / かさ(笠)


長内三蔵氏、右奥は奥様ハルエさん
 岩手県山形村の長内三蔵氏の「ふるさと資料館」にある収蔵品に、茗荷で織られた敷物があります。タップリとしてぶ厚く、軽やかで、ケバもなく、白々としてホレボレする出来栄えです。「へなしき」と云ってお客様用の敷物の事です。
 又、次ページ絵図「茗荷の背中あて」の左より10p位から約14pは、ビニールテープ(赤や青も)が織り込まれています。

 民俗学者名久井文明氏の論文によると、『これらは古い形態をとどめるものと、新時代の要素が同一個体上に現れた例だが、これらの場合、時代の先端を行く化学的素材は補助的に用いられているに過ぎない。縄文時代以来の自然素材を利用する文化が近代機械工業が発達する段階にも濃厚に維持されている事実に留意したい。[中略]その素材が化学素材であっても「必要」に促されて駆使されてるその製作技法は、縄文時代に淵源をもつ父祖伝来の技法に他ならない』とあります。

 縄文と現代の中間に位置するえみしの人々もきっとこの茗荷の敷物の上で、色々な語らいをしたであろう、と思わせる品でした。